2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

所沢ビエンナーレ「引込線」2011(1)

東北から関東に来ると、作品を制作して発表することが、ごく当たり前に行われているのでちょっと戸惑います。戸惑うというのはどういうことかというと、被災地との距離が意識されないまま、「3・11後の美術」という言葉が独り歩きしているように思えてしまう…

所沢ビエンナーレ「引込線」2011

所沢ビエンナーレのホームページの方に、カタログ掲載論文のタイトルが公開されています。 http://tokorozawa-biennial.com/writer.html井上は「美術と自然−なぜ日本の美術は原始回帰するのか−」という文章を書いています。「美術と自然」を問題にしているの…

劇団航海記『夏空の光』

『夏空の光』(劇団東京観光)という劇のポイントは、生者が死者を見送るのではなく、死者が生者を見送る視点のドラマであるところにある。たとえば死者を乗せた列車といえば当然、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が思い出されるが、『銀河鉄道の夜』はカンパネ…

まだ誰にも知られていない悲しみ

自分より若い表現者に、「まだ誰にも知られていない悲しみ」があること教わる。「まだ誰にも知られていない悲しみ」が、そこにあることを気づかせるのが、歌や演劇、文学あるいは、絵画といった表現の役割である。その悲しみに対して何が出来るかを問うこと…