2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧
気になったのは、キャンヴァスの白地に対する意識のなさである。それは正確にいうと、白地に対する意識のなさというよりも、平面の持つイリュージョン性に対する拒否であると思うのだが、ここではロウ・キャンヴァスが使用されているにも関わらず、色彩とキ…
天井から逆さに吊るされたグランド・ピアノの存在が、まず目を引くのだけれど、それは目線を上に上げはするが、バロックの様な上方に突き抜けていく視線ではなく、どちらかと言えば上方に圧迫感を覚えさせるものであって、強調されているのは上部構造の不在…
高山の「枕木」には、「木」という素材が持つ温もり、あるいは手触り感といったものが見られない。高山のタールの染み込んだ「枕木」に見られるのは、「木」という素材に対して示される親近感の拒絶である。この拒絶は、「木」という素材にタールを染み込ま…