2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

椹木野依批判

椹木野衣「地質活動期の美術」(二)椹木野衣「地質活動期の美術」(『文學界』2012.3月号)。椹木の「絵画の体験は、僕ら個々、身体の側にあって、火事場で救うべきは物などではなく、この身体なのだ」という比喩のおかしさは、「身体」も絵画と同じく、「…

椹木野衣「地質活動期の美術」(『文學界』2012年3月号)

椹木はここで戦後の日本の復興を支えていたのは、日本人の勤勉さでも、日米同盟でもなく、これまで「静穏であったがために見えなかった、地質学的な条件」によるものであったとして、これまで使われていた「戦後」という歴史区分の失効を宣言し、新たに地質…

船戸与一『蝦夷地別件』(全3巻/新潮文庫)

1789年に国後・目梨で起きたアイヌの蜂起を題材とした歴史小説。とにかく面白いのだが、驚かされるのはマホウスキーというポーランド人貴族が登場することで、蝦夷の辺地で起こる出来事が世界史とリンクしていることである。マウスキーの役割は、祖国ポーラ…