2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

村上隆×椹木野衣「アート憂国放談」(『芸術新潮』2012.5月号)

村上隆について。確か、以前は近代化以前の日本の美術には「ヒエラルキー構造はない」と発言していたと思うのですが、今度は一転して、「日本の歴史において芸能、芸術の徒は非人であり、人ではないものに分類されているにもかかわらず、人間としてのアイデ…

永瀬恭一「脱美学―ブロークンモダンの諸相」(『組立−作品を登る』)

「批評がない」という定型句に対して、「批評はあるけれども構造に従属している」のが現状だという分析と考察は鋭い。おそらく、この論考を通して著者が読者に求めているのは、現状に対する認識の問い直しだけではなく、批評を十分に機能させない「構造」を…