仙台から(五)

今日も雪。厳しい寒さとなっていますが、市内のスーパーには少しずつ商品が入荷し始めているようで、朝早くから買出しに出かける人の姿が目立ちます。どうやら民間と行政の現場サイドの力によって、生活条件は確実に改善の方向に向かっているようです。郵便ポストを覗いたら、驚いたことに郵便物が届いていました。メールと電話が通じない状態であったので、心配してくれた知り合いがわざわざ便りを送ってくれたようです。本当にありがたいことです。郵便といえば、そういえば地震があった当日も、激しい余震が続くなか配達員が配達を続けているので驚きました。おそらく会社から退避命令が出ていなかったのか、出ていても届いていなかったのでしょうが、あまりに危険な行為でしたのでヒヤヒヤしました。

その日は、誰が読むのだろうという夕刊を配達する人もいて驚いたのですが、一時避難していた妻の実家には、次の日の朝、朝刊も届けられていました。しかも律儀に織り込みチラシ入りで、宅配ピザのチラシが入っていたのには思わず笑ってしまいました。もちろんピザのチラシがあっても、ピサ屋はやっているわけありません。そんなことチラシを織り込んで配っている人たちだって分かっているはずなのですが、混乱した現実に日常が、あるいは私たちの意識が追いつかないのです。その状態は今も続いています。先行する混乱に私たちが追いつくのに、どれくらいの時間が必要とされるのかは分かりませんが、地震津波原発という三重苦を無事乗り越えられると信じたいと思います。