仙台から(四)

仙台は朝から雪です。近所の量販店で缶詰とパスタが買えました。雪の中を一時間ほど並びましたが、電子レンジが使えるので、耐熱容器に水と一緒に入れて加熱すればパスタが食べられるようになります。昨日あたりから、電話の通話が繋がり易くなって来ましたので、少しずつですが状況は改善されているようです。ただ混乱した報道が人々に不必要な不安を与えています。多くの人が恐怖心を押し殺して、秩序を維持しようと努めているのに、東京から発せられるニュース報道が、現地の不安よりも、我が身の不安を語るものとなっていては意味がありません。なぜ現地より、東京の方が混乱しているのでしょうか。

もちろん、このような未曾有の災害が自分の身にも起こったらという不安は、誰にもあるものでしょう。ですから、備えあれば憂いなし、自分の身は自分で守る、といった考えが生まれることも分かります。しかしこのような未曾有の災害を、自分の身は自分で守るというサバイバルで乗り越えることなど無理なのです。たとえサバイバルで自分の命を守れたとしても、日常は取り戻せません。日常を取り戻すには、多くの人たちの力が必要だということを理解して下さい。必要なのは一人で立ち向かうことではなく、普段それほど付き合いのない近隣の住人や、あるいは街中でたまたま出会った見知らぬ人と力を合わせることです。一人で立ち向かおうとするから不安が生まれるのです。どうか多くの人と力を合わせられることを信じてください。