仙台から(二)

今日も仙台の市街地では、朝から多くの人が食料と日常品を求めて長い列を作っていました。混乱もなく粛々と続く長い列は、一刻も早く日常を取り戻したいと願う人々の列です。中長期的な事を考えると、漠然とした不安がありますが、今はただ目の前の事態が好転することを願うばかりです。情報不足は相変わらず深刻ですが、口コミで水道や電気の復旧状態、どこで食料が調達出来るかといった情報が交換されていますので、水道が通った、電気が回復した、食料が手に入ったということが、明日への大きな望みとなっています。
ただ一つ気になるのは、市街地を歩いていると、10代の若者が孤立していることです。見知らぬ人とコミュニケーションがとれず、地べたに座り込み、ただ携帯を充電しているだけという姿を多く見かけます。杞憂かも知れませんが、友人知人といても会話がなく、互いがそれぞれの携帯を覗き込んでいるという光景は、些か異様な光景です。もちろんネットや携帯というのは有効なツールです。しかし、携帯を通したコミュニケーションが機能しない状況においても、それに頼ったコミュニケーションしか取れないというのは、それだけ彼らが社会から孤立した弱い立場にいる証のような気がしてなりません。

それから首都圏の計画停電というニュースは、震災地の復興を考えるのに、首都圏にこのような混乱が生じるのは望ましくない、不安を与えるだけのニュースとなっていると思います。