4月11日 雨

震災から一ヶ月が経ちました。これまでの日本の社会というのは、極力他者とのコミュニケーションを避けてきた社会で、多くの人が他者とのコミュニケーションを必要としない社会の方が、便利でストレスの感じない社会と思って生活していた訳なのですけれど。震災によって、これまで私たちが快適と思っていた社会の基盤が破壊され機能しなくなった時に、即座に他者への回路というものが開いて、一時的であれ他者とのコミュニケーションというものが可能であるということが、被災地において実証されたということは望みあることであったと思います。

被災地より東京圏の人たちの方がストレスを溜めていると思われるのは、他者への回路が開くものだということを経験していないので、社会が大きく変わるということを認識していても、疑心暗鬼的にこれまでと同じ社会を維持した方がよいのではないのかというブレーキが働いてしまうからではないでしょうか。

これまで通りの社会を維持しようとすればするほど、現在を「戦時」と捉える解釈に巻き込まれ易くなります。現在が危機的な状況であることに間違いはありませんが、今ある困難というのは決して「戦争」によるものではないということを理解しなければなりません。生活水準が下がるのではなく、これまで便利だと思っていたものが、本当に便利・必要なものであったのかを見直すことによって、新しい価値基準が生まれ、より実りある生活と社会が作られるのです。必要なのはモダニズムへの回帰ではなく、日本の近代が終わったという自覚です。今までのような傍観者としてではなく、歴史の渦中に自分がいることを自覚しながらも、そこに巻き込まれることなく、自分の仕事がなされなければなりません。夕方に強い余震。


4月12日 晴れ

朝から強風。午後、ホームセンターへ部材を買いに行ってみると、天井のパネルが落ちまくっているのに、普通に営業しているので驚きました。客としては買い物が出来てありがたいし、お店としても稼ぎ時なのでしょうけれど。天井が抜けてケガ人とか出たらどうするのだろうと思っていたら、「ドーン」という音と共に余震が来たので少し焦りました。夜、スーパーで購入したチリ産の冷凍ムール貝を、アスパラと一緒にソテーしてみたら、なかなか美味しかったです。