カターニア 1月1日(土)
晴れ。ホテルで朝食。タクシーで駅へ移動。ローマ行きのIC(インターシティー)に乗りカターニアへ向かう。コンパートメントで同乗したイタリア人家族が風邪を引いていたので、嫌な予感がしたのだが、見事に風邪をうつされる。カターニアの駅前からバスで街の中心部に移動。ホテルにチェックイン後、歩いてドゥオーモ広場に向かう。広場でオベリスクを背中に乗せた像の噴水と、バロック様式のファサードに飾られた大聖堂を眺めたあと、モディリアーニの展覧会が開催されているウルシーノ城に移動。賑やかな広場から人気のない路地に入り込むと、過ってイタリア一治安が悪いと言われた街の荒々しさが、まだ何処かに潜んでいるような雰囲気がある。
展覧会はデッサンと手紙などの関連資料を中心としたものであったので、大作と呼べるものは展示されていなかったが、現存数が少ない彫刻が3点展示されていたので、会場では彫刻を中心に見ることにした。作品は3点とも「頭部」を制作したもので、卵形の輪郭と単純化された顔の表現にブランクーシの影響が見られると思うのだが、モダニズム的要素よりも古典との関係性を強く感じさせられる。ここに見られる古典性というのは、たぶんに建築的なものであるのだが、極端に引き伸ばされ「鼻」は、顔の一部というよりも、独立した「線」となっており、どう見たらよいか迷うものであった。もちろん「美しい」と思える角度がない訳ではないのだが、全体との関係性に危ういものを感じた。
明日、帰国。