パレルモ 12月25日(土)

晴れ時々雨。ホテルで朝食。毎朝朝食会場で顔を会わしていた団体さんが、アメリカからのツアー客だということが判明。モダン・スタイルのホテルであったのでアメリカからの観光客が多いのかも知れない。チェック・アウトの手続きをした後、マッシモ劇場の裏手にある細い路地から、カッポ地区にある大聖堂に向かう。途中、クリスマス休日であるにも係わらず、カッポの市場が開いていたのが、何とも嬉しかったのだけれど、パレルモの路地を歩いているといつも楽しい出会いがある。大きな都市ではあるが、良い意味で下町風情が残っているので、小さな市場が確保されているのだろうか。

大聖堂の横にある大司教館でイスラム色の強い装飾品類を見学したあと、ホテルに荷物を取りに戻る。今日はクリスマスなので、バスが運行しているのは午前中までなのだが、電車の運行は午後から始まるので、お昼前にバスで中央駅に向かい、午後一の電車でアグリジェントに向かうことになる。電車は定刻どおりに発車。休日ということもあるかも知れないが乗客はまばらで、クリスマス休暇で帰省する人たちが、途中の停車駅で一人また一人と降りていってしまうと、ローカル線の寂しい風景が、さらに寂しいものとなる。

アグリジェントの駅前は殺伐としていた。広場が老人の憩いの場ではなく、行き場の無い若者がたむろする場となっている。イタリアらしさを感じない街。足早にホテルに移動。アガサ・クリスティーの小説の舞台に出て来そうなホテル。ライトアップされた神殿の上に冬の星が輝いていた。