ラグーサ 12月28日(火)

快晴。ホテルで朝食。歩いてラグーサ・イブラへ向かう。高台にある新市街からイブラ(旧市街)に向かうには、かなり急な坂道を下りていかなければならないのだが、坂の下にあると言ってもイブラは平地にある街ではない。新市街よりも低い場にあるが、そこは独立した一つの丘である。人間が平野に都市を建設するには水の脅威、とくにマラリアの脅威を衛生的に克服しなければならなかったので、たとえばローマの七つの丘がそうであったように、このような丘陵に都市が建設されたのだと思う。

イブラは高台から眺めていたよりもずっと広い街であった。地図を片手に進むのだが、路地を一本間違えると、目指す方向と全く違う方向に出てしまい。気がつくと袋小路に迷いこんでしまっている。まるで迷宮である。なんとかドゥオーモ広場前に辿り着くと、三層構造のオーダーで飾られたファサードを持つサン・ジョルジ教会が見える。教会は典型的なバロック教会で、上へと積み重なれた円柱とうねる曲線が特徴的であったが、残念ながら中は見学することが出来なかった。ドゥオーモ広場周辺のお土産屋を覗きながら、南国の雰囲気が漂うイブレオ公園まで歩き、お昼になるのを待ってトラットリアで昼食。

昼食を終えて店を出ると、飲食店以外はみな昼休みとなっているので、一端ホテルに戻りバスでモディカに向かうことにする。ホテルのフロントでバス停の説明を受けたのだが、フロントの説明よりも遠い場所にバス停があったので探すのに難儀する。モディカまで往復3.7ユーロ。運転席の直ぐ後ろの席に座ったからか、やたらと運転手が後ろを向いて話しかけて来る。向こうは慣れているのだろうけれど、山道を走行していたので、ちょっとヒヤヒヤさせられる。

モディカの街は高台にあるアルタと低地にあるバッサとに分かれている。バッサには有名なチョコレート店の老舗が並んでいて、チョコレート店とカフェが立ち並ぶ大通りを歩いていると、同じくチョコとカフェで有名なトリノの街のことをなんとなく思い出す。バッサでお店をいくつか覗いたあと、バスでラグーサに戻る。スーパーで簡単な買い物をしたあと、ホテルで夕食。食堂で食事をしているメンバーが昨日と全く同じであった。